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モーツァルト :アレグロ 変ロ長調 K.3

Mozart, Wolfgang Amadeus:Allegro B-Dur K.3

作品概要

楽曲ID:18075
作曲年:1762年 
出版年:1878年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:0分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
原曲・関連曲: 曲集・オムニバスプレ・インベンション

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎3 基礎4 基礎5

楽譜情報:9件

解説 (2)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1346文字)

更新日:2021年8月4日
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よくコンクールの課題などになる曲です。単純な曲ですがなかなか難しいです。まず最初にわかっておかなければならないのは、この曲の描写です。モーツアルトは歌劇で有名な作曲家です。この曲もそのような歌劇の一シーンだと考えます。そしてそれは決して深刻ではなく、楽天的で、楽しくなければなりません。眉間にしわを寄せて弾くような曲ではなく、笑顔で弾く曲、と生徒さんに説明してください。  

もう一つの考え方としては、この曲を楽しい弦楽の曲と考えます。ヴァイオリンのボーイングを思い浮かべ、楽しいアンサンブルと考えます。考え方はどちらでも構いません。  

さて、そのように、軽く、楽しく弾くには、重たさは御法度です。スタッカートが重たくならないようにします。  

一つ覚えておきたいことは、8分音符2つにかけられているスラーです。例を取りましょう。1小節目、1拍目の右手をご覧ください。DからBにかけてスラーがかかっていますね。この奏法についてお教えします。このような、スラーが2つの音符にかけられている場合、ヴァイオリンのボーイングのように、DからBをつなぐのですが、Dを弾いた後、指は上に上がるモーションでBを弾きます。つまり、Bには力は殆ど入らず、「Dを弾き終わった後指を上に上げる時に、間違ってBを触ってしまった」位の、弱く、短い、音符で弾きます。同様のことを2拍目も行います。コツとしては決して2つめの音符に力を入れたり、長くしたりしないことです。それがこの曲を軽快に聴かせるコツです。  

テンポについてお話しします。これはタイトルがAllegroですからAllegroで良いのでしょう。ただし2拍子で書かれています。古典派時代の2拍子は結構速いテンポで進みます。筆者も今試してみましたが、4分音符が141位が良いのではないかと思います。  

次にダイナミックです。これは重要です。この楽譜に書かれてあるダイナミックマーキングをまもてください。誰が聞いてもフォルテとピアノの差がわかるように弾きます。ここで問題なのですが、1小節目のフォルテ、4小節目2拍目裏拍から始まるピアノの差は、付けることができると思いますが、次のメゾフォルテを1小節目のフォルテよりも少し落として、10小節目2拍目裏拍から始まるメゾピアノを4小節目のピアノよりも少しあげて、というような作業をしますと、7-12小節間が強弱的に平坦になる可能性があります。  

勿論それができるに超したことはないのですが、もしも7-12小節間が平坦になってしまうようであれば、ここからは筆者個人的な考えにはなりますが、6小節目のメゾフォルテと10小節目のメゾピアノは、通常のフォルテとピアノに近づけてコントロールしても良いと思います。それほど、この曲のダイナミックの差を表現することは大切だとお考えください。  

1-12小節間、歌劇で例えれば、楽しい、愉快な会話が弾むと考えます。しかし13小節目からのBセクションは、ムードを少し変えます。不安げな13-16小節間、これに対し、16-20小節間は、何か良いアイデアを思いついたような描写です。再び楽天的な楽しい会話に戻る感じです。  

とにかく全体を楽しく、軽やかに弾くことがこの曲のヒントになります。

執筆者: 大井 和郎

解説 : 今関 汐里 (96文字)

更新日:2021年3月1日
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